ミャンマーの電力事情ってどうなの?実際に住んでみた現状を紹介します
こんにちは、ミャンマーの在住のトモノリです。ミャンマーは、最近では毎日のように停電を起こしているため、家でゆっくりしたくてもすることが出来ません。日本では停電を心配するってことが全くなかったので、改めて停電をしないという当たり前のことがすごいことなんだと実感しました。
今回はミャンマーの電力事情や、実際に住んでみてどのような現状かを紹介してみたいと思います!
ミャンマーの電力供給は何に依存している?
ミャンマーは現状、水力発電とガス発電に依存しており、火力発電もありますが老朽化が進んでおり、設備に対して実際の電力出力量が大きく下回っているという現状があります。
また、水力発電が以下のようにミャンマーでは電力供給のおよそ60%(2015年)を占めますが、ミャンマーの気候の特徴として10月下旬から3月までは乾季で雨がほとんど降らないため、水力発電に必要な水の確保が難しいという状況にあります。
参考;ミャンマー・LNG 利用/電力供給にかかる事業実施可能性調査報告書
雨季のうちにためておいた水を使って発電をするため、乾季の終わりごろである4月(ミャンマーの夏の時期)になると、発電に使う水が不十分なので毎日のように停電を起こします。
2016年頃にロシアの国営企業と原子力の平和利用に関する作業部会を設置するという記事が出て原子力の活用も選択肢の一つとしてあったり、実際に知り合いのミャンマー人が僕に話してくれたのは、その知り合いが地方に研修に行ったときに原子炉のようなものが建設されてたと言っていたり、実際に進展しているのかは怪しいですが、様々な選択肢を模索しているようではあります。
実際に住んでみるとどんな感じ?
ヤンゴンのアパートなどでもジェネレーターが設置してあるのであれば、停電が起きてもジェネレーターに切り替えるだけなので問題ないと思います。ただ、普通のアパートであればジェネレーターは設置していないので、停電に悩まされることになります。
僕は実際にはヤンゴンではなく違う地域で生活しているので、ヤンゴンに比べてより状況がよくない部分はあると思いますが、この記事を書いている現在でもこんな状況なんだというのを知ってもらえればと思うので紹介したいと思います。
僕の住む地域でも4月頃は、乾季の影響もあり毎日のように停電を起こします。特に明かりなどアパートで電気を使用したい夜の時間帯などは感覚的に2日に1度は停電しています(笑)。
また、長い時だと10時間は停電になることもあり、特に夜になると電力消費量に供給量が追い付かない関係なのか長時間停電になったり、計画停電もあり、今日はこの地域は停電にしたりなど同じ市内でも地域ごとに停電になったりすることがあります。
停電すると辺りが真っ暗になるので、市内を歩いていても本当の暗闇というのを体験できます。野良犬も多いので、ライトなどを使わないと犬を踏みつけて反撃されたりするリスクがあります(笑)。また、工事で側溝が掘られたままになっている場所とかもあるので、停電で電気のある場所に退避したくても移動でリスクがあります…。
停電だけじゃなく普段から電力供給が少ないこともある!
それじゃあ、停電が起きない時期などであれば問題はないんじゃないの?という印象を受けるかもしれませんが、実は普段も結構キツいです。というのは、エアコンや冷蔵庫など大きな電力を消費する家電製品は、電力供給が足りず使えないこともあるからです。
ミャンマーでは下の写真のようにセーフガードが部屋についているのですが、写真のように2つの青いランプがついていれば問題ないのですが、どちらか片方でも赤いランプがついているとエアコンや冷蔵庫など大きく電力を消費する家電は使えなくなります…。
もちろん、アパートなど住んでいる場所によって異なりますが、僕の住んでいるアパートは体感として50;50で使える時と使えない時があるという中々にシビアな状況です…。ただ、蓄電池のようなものを購入することで大きな電力にも対応できたりはするので、この部分は工夫次第という部分ではあります。
ミャンマーの電力事情は今後改善する?
ミャンマーの電力供給はまだまだ厳しい状況ですが、今後は流石に改善していくと思います。但し、資金面や、発電設備の開発における住民の反対など課題が山積しているため、すぐにというのは難しいと思います。
ただ、ミャンマー政府は2021年ころから液化天然ガス(LNG)の輸入を始めることを検討しているなど、ポジティブなニュースもあります。電力事情や政策について詳しくは参考にした資料を見てもらえるとさらに詳しく知ることができると思います!
最後に
ミャンマーは他のアジア諸国と比べて、電力事情含め様々な問題が山積していますが、その一方で国の成長を肌で感じることができる国だと思います。日本人にとって電気が供給されないことはつらいことではありますが、新鮮な部分も多いです。この記事を通じて少しでも興味を持ってもらえればと思います!
[参考]
・高橋 正貴(2017)『ミャンマーの電力事情,政策,計画と電力法』国際協力部報「ICD NEWS」第72号 2017年09月号
・資源エネルギー庁(2018)『ミャンマー・LNG 利用/電力供給にかかる事業実施可能性調査報告書』
・MYANMAR JAPON online『ロシア企業がミャンマーで原子力の平和利用を模索』