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ミャンマーの出生登録制度とミャンマー人の生年月日について

ミャンマー人の知り合いと話をしていると、「実は政府に登録されている生年月日と、実際の誕生日が違うんだよね~」という話を聞くことがよくあります。日本だったらあり得ない話ですが、ミャンマーではよくあることのようです。そこで、今回はミャンマーの出生登録の制度や、実際の誕生日と登録されている生年月日が異なる理由について紹介していきたいと思います。

 

ミャンマーの出生届制度

ミャンマーでも、日本と同様子どもが産まれると出生届を出す必要があります。ミャンマーには、日本のような戸籍制度はありませんが、日本の住民票のような(日本の住民票と言うと語弊があるのですが)家族の情報が記載された以下のような書類が自治体によって作成されます。

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[引用] UNICEF Myanmar「Birth registration Realizing the first right of every child

 

上記のように、当たり前ですが政府に登録することによって教育を受ける機会や行政サービスなどを受けることができるようになります。しかしながら、地方では登録をせずに、出生証明や国民であることを証明するカードを受け取れない子どももたくさんいるのが現状です。

 

いずれにしても、子どもを出産したら、親が役所に登録しに行くという形になるため、手続きは日本と大差ありません。

 

 

ミャンマーの一般的な出産の方法は?

最近では病院で出産するミャンマー人もいるようですが、現在でも自分の自宅や家族の前で出産するのが一般的だそうです。この理由としてはやはり金銭的な部分もありますが、実際にミャンマー人の知り合いに話を聞くと、金銭面以外にも理由があるようです。その理由として一つは、医師など他人に対して局部を見せたくないといったような恥ずかしさなどの部分があるようです。また、ミャンマーは親族同士のつながりも強く、代々出産は家族で行ってきたものであるため、出産時のノウハウも熟知しているため、より安心感のある自宅での出産が一般的なようです。

 

 

自宅出産であるため誕生日が恣意的に登録されてしまうことも

日本の場合は通常、医師や助産師による出生証明書によって生年月日が記載されるため、誕生日をずらすことはできません。しかしミャンマーでは先述したように、自宅で出産するため、政府に登録する際、生年月日を本当の出産日にしないことがよくあります。

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「それって結構昔の話じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、現在でもよくあるようです。実際、ミャンマー人の知り合い何人かに聞いてみたところ、登録上の誕生日と実際の誕生日が違うという人は何人もいました。僕が聞いた人の中では、数日の違いだという人もいれば、半年も違うという人もいました。特に半年も違うという人に話を聞いたところ、一つ上の学年で勉強するために、両親が違う生年月日にしたとのことでした。もしミャンマー人の知り合いがいるなら、ミャンマー人の生年月日について聞いてみてください!それなりの確率で実際の生年月日と異なるという人がいると思います。

 

 

その他に問題はあるの?

自宅出産で医師などの証明がないミャンマーでは、生年月日以外でも両親の申告によって登録情報を変えることができてしまうため、すごい事例だと「両親を別の人にしてしまう」ということがあります。僕自身、「両親を別の人にした」という事例は1件しか聞いたことがないため、ミャンマーではそのようなことが頻繁に行われているのか、それともレアケースなのかは分かりませんが、聞いた話によると、娘が婚前交渉をして子どもができたにも関わらず、婚前交渉をしてしまった男性側が逃げてしまい未婚の母になってしまったため、娘の両親が産んだ子として登録し、育てているようです。

 

「シングルマザーで育てればいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、ミャンマーでは結婚前に性交渉をするのは恥ずかしいことだと考えられているので、親を娘本人ではなく、娘の両親で登録したようです。

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