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ミャンマーでは日本より韓国が人気なの?その現状と理由を調べてみた

こんにちは!ミャンマー生活を満喫しているトモノリです。現地で生活しているとよく感じるのが、韓国のプレゼンス(存在感)の高さです。例えば、韓国カルチャーや韓国製品、韓国語の学習者数などとても高く感じます。あと踊るのが好きなミャンマーの女子小中高生は、スマホで韓国グループのmusic videoを見ながら、踊っています。

 

もちろん、日本のアニメや、日本製品、日本料理など存在感を大きくしていますが、韓国に比べ日本の方が経済力や人口は今のところ優ってはいるのに、ミャンマー人にとって韓国の方が近く感じるようです。

 

そこで今回は、ミャンマーでの韓国の存在感が高い現状と、その要因について説明できればと思います。

 

ミャンマーでの韓国の存在感が高い現状

これまでの累計投資額は韓国の方が大きい

ミャンマーでは、よく韓国企業の看板や広告、ドラマを見ることができます。また、ショッピングモールなど多くの場所に韓国系の企業や、店内に韓国企業の製品が販売されているのを目にすることができます。特に、サムスンなどの電化製品もそうですが、化粧品は人気で、最近ではetude houseやinnisfreeなど韓国の化粧品ブランドがミャンマー人女性の間で人気なようです。

 

もちろん日本企業も看板や広告、最近だと日本のドラマが放送されていることもありますが、韓国企業の方が、勢いがある印象を受けます。実際、売上という点での比較は難しいですが、ミャンマーに対する韓国と日本の投資額の違いは、1989年から2019年3月31日までの累計額(外国投資法案件のみ)で比較すると、以下のようになります。

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日本と韓国投資比較

出典;DICA『2019/March Foreign Direct Investment Yearly Approved Amount By Country

年度別に見ると、最近では日本が韓国を上回ることが多いですが、それまでの蓄積という部分では先行されているのが分かります。韓国は日本に比べ初期からの投資の蓄積が多いため、

 

また、経済特区への投資は日本が韓国を圧倒しているため、韓国と比べて日本の投資が遅れをとっているというわけではありませんが、それでも経済特区以外の地域では今までの累積投資額に違いがあるというのが分かると思います。

 

ミャンマーでは韓国ドラマの放送が多い

ミャンマーでは韓国ドラマが人気で、どの放送局も1日少なくとも2タイトル以上韓国ドラマを放送していることもあります。他方で、日本も遅れを取り戻すかのように、日本の官民ファンドがコンテンツ事業に出資をして日本のプレゼンス(存在感)高めようとしています。共同制作を手掛けるMNTV channelでは日本のドラマが放送されています(最近だとドクターXなど)が、MNTVくらいしか日本のドラマを定期的に放送していないようで、ある日の放送予定を見るとMNTVで日本のドラマが2タイトル放送されているのみという状況です(ミャンマー人調べ)。

www.myanmartvchannel.com

 

 

なぜミャンマーで韓国の存在感が大きいのか?

韓国は、国家の戦略として、韓国ドラマなどコンテンツを通じてミャンマー人に認知してもらい、さらに韓国製品に対する需要を作り上げることで投資に最適な環境を作り上げています。

 

日本も同様に最近ではクールジャパンなどコンテンツを通じて需要開拓を目指そうとしていますが、韓国はこれを十数年前から行っているため、現状日本は遅れをとってしまっています。日本や韓国は、ミャンマーと文化が全く異なるため、ミャンマーへ定着するのに時間がかかりますが、韓国の場合は、投資の累計額や、韓国ドラマの現状を見て分かるように、先行的に韓国の方が上手く定着しています。

 

また、ミャンマー放送局が日本や韓国の制作局からコンテンツを購入する際、費用がかかります。その際、韓国は国を挙げてコンテンツ振興策を行ったため(補助金知的財産権の保護等)、安い価格でミャンマーの放送局に販売できたため、ミャンマーで広がったとされています。

 

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韓国政府によるコンテンツ振興策

もちろん、日本政府が積極的に乗り出すのが遅れたのが悪いわけではないと個人的には思います。というのも、10年以上前は民主化する前でミャンマー情勢も不安定な部分がありリスクの部分と、所得の問題があり日本の高品質・高価格な製品を買う購買力がない市場の問題があったためです。

 

そのため、今後の所得水準の向上や日本によるコンテンツ振興策により日本のプレゼンスはより高まるのではと個人的には考えていますが、今後の展開を待つ必要があります。

 

 

最後に

現状、ミャンマーでのプレゼンス(存在感)という点では日本は韓国に遅れをとっているように感じますが、それでも良いニュースはたくさんあります。例えば、少し古い記事になりますが、ミャンマーでの第二言語学習者の状況についてBetter Life Education and Career Supporting CentreのマーケティングマネージャーであるDaw Su Mon Winは『第二言語として人気のある言語は、一番が英語で、二番が日本語か中国語、その後に韓国語が続くと感じます』と言っています。この方の主観なので、他のミャンマー人に僕が個人的に聞いたところ、「韓国語と日本語の学習者は50対50で少し韓国語の方が多いかも」というミャンマー人もいたため、解釈が難しく、実際のところはよくわかりませんが、日本に憧れ日本語を勉強したいというミャンマー人も多くおり、日本の人気も高まっていると感じます。

 

また、開発支援では、農業分野や郵便、ヤンゴンのバスなど公共交通機関など様々な支援を日本は行っており、ミャンマーのインフラを整備してよりよい国づくりの支援に大きく貢献しています。そのため、記事上では韓国の人気の現状と理由を書きましたが、長期的な視点から見ると、日本の方がミャンマーのための貢献という面では強いかもしれません。

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JICA支援のバス停

 

 

[参考]

・杉田浩一、行方國雄(2016)『実践ミャンマー進出戦略立案マニュアル』ダイアモンド社

・DICA『2019/March Foreign Direct Investment Yearly Approved Amount By Country

日本貿易振興機構ジェトロ)(2011)『韓国のコンテンツ振興策と海外市場における直接効果・間接効果の分析

・クールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)『ミャンマー連邦共和国における地上波放送向けの日本コンテンツ発信事業へ出資』News Release

・Natalie Wong(2016)『Speaking the same language』Frontier Myanmar

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